サイドストーリー

第6話 院内生活
 第6話の機体紹介+人物紹介

本名 天使 聖(あまつか せい)
レイヴンネーム ライトニング・フォール

一言で言えば自信家。言うだけ言うけどそこまで強くは無い。
しかし、決して弱いわけでは無い。
過去にあるレイヴンに大敗した事によって今はそのレイヴンを追いかけている。
最近流行っているのか知らないが兄妹レイヴン。その妹に「チャマ」付けされて呼ばれるのを非常に嫌っている。

ACネーム:ブレイブハンターΣ

動く砲台の名にふさわしい高火力四脚AC。武装はグレネードにチェインガン、
速射ライフルに投てき銃、そしてエクステンションにエネルギー回復装置をつけているので
四脚特有のエネルギー不足を解消している。
しかし、攻撃に特化したため
機動性が致命的に低くなっている。しかも装甲もお世辞にも高いとは言えず非常に打たれ弱い面がある。

本名 天使 四葉(あまつか よつば)
レイヴンネーム デス・クローバー

聖の妹、元気印で活発な女の子。のってるACも高機動型。
そして、なかなか頭も切れるけどどこか間が抜けているけど突然の判断力はピカ一。
熱くなりすぎる兄をなだめる役でもある。
いつも兄の事を「チャマ」付けしていつも怒られている。

ACネーム:クローバーナイト

防御力を犠牲にして高機動、高火力の軽量四脚AC。
戦闘では主に前線にでて肩に装備されたグレネードランチャーで威嚇し、両腕に装備されたハンドガンで熱ダメージを与える。
避けるのが前提の機体なのでマシンガンやショットガンなどのラッシュを受けるとすぐに追い詰められてしまう危険性がある。

 第6話 院内生活
 あの夜から一晩たった…
努「スピー…スピー…」
咲「スー…スー…」
医者「う〜ん…よく寝てるな…前の晩はあんなこと言ったけど…実際のところは最新の
   医療技術でなんとかなったんだよな…」
 努の病室には医者と眠っている咲耶がいた…
医者「あの時はいきなりだったから焦ってたけど、ナノマシンが普及してから
   生存率は極めて高くなっていたんだが……黙っておこう…」
 眠っている努と咲耶のそばで医者がそうつぶやく
努「ん…ん〜、ふぁ〜あ…んと…えっと、ここは?」
 努が目を覚まして、キョロキョロと周りを見渡す
医者「病院だよ、稲垣 努君」
咲「う…ん、ふぁ〜あ…あれ?に、兄さん!」
 咲耶も目を覚まして努に飛びつく
努「うお!咲耶…」
咲「兄さん…よかった…ほんとに…よかったよぅ…」
 咲耶は泣きながら努に抱きついている
努「ちょ、ちょっと咲耶…さすがに…」
医者「えっと、お取り込み中失礼するが…いいかい?」
 医者がそう努達に話しかけてくる
努「あ、はい、なんでしょうか?…おい、咲耶…そろそろ離れろよ…」
咲「だってぇ…は〜い」
 咲耶はあきらめて努から離れる
医者「ははっ、兄妹仲がよろしいのですね…本題に入りますが、今日から病室を他に
   移ってもらいますが…よろしいですか?」
努・咲「へっ!?」
 医者からのいきなりの提案に呆気を取られる二人
医者「今回は怪我人が大量に出たため意識が回復次第、大部屋に移って
   もらっているんですよ」
 医者がたんたんと説明する
努「は、はぁ…そうですか…それにしてもいきなりですね」
咲「ほんとに…で、その大部屋のメンバーってどうゆう人達なの?」
医者「えっと…あなた達と同じ場所から運ばれた人達…だったけな?」
努「なっ!それじゃあみんな助かったんですね!?」
 そう言って努は医者に詰め寄った
医者「ちょ、ちょっと…そんなに興奮したら傷口が開きますよ」
努「う!ぐぁ…いてて」
咲「あ〜もう、そんなに興奮しないでよ兄さん」
医者「じゃ、じゃあ準備が出来次第、移動をお願いしますね。それじゃあお大事に…」
努「いつつ…あ、はい、ごくろうさまです…あてて」
医者「おっと、言い忘れたけど大部屋は一つ上の307号室だから」
 そういって医者は病室を出ていった

 307号室で…
 今、この大部屋には6つあるベッドのうち4つがうまっている
辰「ん〜…はぁ、努さん目覚ましたかな〜?」
 辰也がベッドで体を起こしながらそう隣にいる鞠絵に話しかける
鞠「わかりません…でも、これぐらいではあの人は死なないでしょうね」
 りんごの皮をむきながら鞠絵がそれに答える
ちか「そうだね…これくらいで死なれては困るよ」
 隣のベッドに寝ていた千影もこの会話に参加する
鞠「そうですね……はい辰也さん、皮むけましたよ」
辰「おっ、サンキュー♪鞠絵」
 鞠絵が見た目からして美味しそうなりんごを皿にのせ辰也のベッドの上に置いた
辰「うまそうだな…じゃ、いただ「そのりんご、もらったぁ!」
 隣のベッドの裕紀がそのりんごを奪い取った…そして素早く胃袋にりんごを収める
辰「なにっ!お前…それはオレのだしお前は今、雛子ちゃんにむいてもらってるだろう?」
雛「そうだよ兄貴〜、もうすぐむき終るから…」
 裕紀のりんごをむいていた雛子が文句を言う…しかしその手には
裕「おい…おれにそのりんごの原型をとどめてないものを食べろとゆうのか?」
 その雛子の手にはどうやって皮をむいたらこんな形になるんだろう…
 と、言った感じの物が握られていた…
辰「うわ……すまん鞠絵…反論できん…もう一個むいてくれないか?」
 辰也が雛子の手に握られている物を見て諦めたようにそう言った…
鞠「はい、わかりました…って、ええ!なんで…もう一個あったはずなのに…」
 鞠絵がリンゴの入っていた箱を覗きこみながらそう言って驚いていると…
守「はい源さん、むけましたよ」
義「あぁ、ありがとう…守ちゃん」
守「い、いいですよぉ、お礼なんて…ボクはただ…」
 そう言って守は顔を赤くしてうつむいてしまう
義「いや、謙虚にならなくていい本当にありがとう…自分は本当に感謝している」
守「えっ!あ、その…なんて言うか…」
 守の顔がさらに真っ赤になる
裕・辰「お前等ラヴコメ禁止!」
 裕紀と辰也がそう叫びながら義大にむかってフォークを投げつける
義「うおっ!よっと…おい、当たったらどうするんだ…?」
 しかし、それを見きったかのようにフォークを受け止める
辰「うるさい!それよりなんでお前がオレのりんご食ってるんだよ!」
裕「そうだ!こんな所まで来てお前等ラヴコメするな!」
 まったく違う理由で辰也と裕紀が文句を言いまくる
守「えっと…べ、別にそんなつもりじゃ…」
 それを聞いて守が困ったように言う
義「貴様ら…怪我がなおったら覚悟しておけ…」
 落ちついて話してるように見えるが、あからさまに殺気をむき出しにしていた
努「相変わらずにぎやかだなぁ、お前達ってよぉ」
咲「こんにちは♪」
 そこに、努と咲耶が大部屋に入ってくる
ちか「努…!やはり無事だったか…」
 それに一番初めに気がついたのが千影だった
努「おかげさまで…みんなも無事だったらしいな」
辰「う、ぐ…ん?あっ、やっと来たな」
 義大の言葉に気圧されていた辰也も努の存在に気がついた
裕「くっ、このプレッシャー…源、やるようになったな…あ、やっと来たんだ」
義「お前こそ…よく耐えれたな…ん、ようやく来たか」
 裕紀と義大が同時に努の方をふりかえる
努「ああ、来ました…よっと」
 そう言いながら努が空いてるベッド上に寝ころんだ
努「…しかし、みんなよく無事にすんだな」
辰「いやぁ、そんなに無事でなかったみたいだぞ」
努「へぇ、じゃあ、どんだけ怪我したんだよ?」
辰「オレはあばら2、3本に内臓もちょっとやばかったな…あと、中度のやけど」
努「へっ?」
裕「おれは右半身やけどに下半身複雑骨折かな」
努「はい?」
義「自分は…あっ、そうだそうだ…右足下部切断だっけ?」
努「なっ!?ちょ、ちょっと…」
ちか「私は…あと、1メートルコックピットに近かったら命にかかわったらしいよ?」
努「ちょっとタンマ…なんでそんな重傷なのにお前等そんなにぴんぴんしてるんだよ!?」
 他の人達の怪我の症状を聞いて努は正直な感想を述べる
辰「なんでって…知らないのか?ナノマシンのこと」
努「ナノ…マシン…って、なんだ咲耶?」
 辰也の口からでた聞きなれない言葉を咲耶に聞いて見る努
咲「へ?わ、私に聞かないでよ…鞠絵さん知らない?」
鞠「あっ、それはですね…」
 鞠絵はそれから五分間、長々とナノマシンの説明をし始める
鞠「…っと、言うわけです。わかりましたか?」
努「は、はぁ…簡単に言えばすごい医療用具…だな?」
咲「だけど、あまり聞かない物ね…」
 難しい単語を長々と聞かされぐったりとしながらも鞠絵の問いに二人は答える
ちか「え?そんなこと無いはずだ…だって」
裕「だって最近どこの病院だってこの技術取り入れてるらしいぜ」
 咲耶の言葉に千影と裕紀が反応する
努「本当か?…それよりみんなはその事知っていたのか?」
 努がそう質問すると…
義「い、いや…自分達は病院の世話になったことなどあまり無いから…」
裕「そうだよな、だって落とされたことなんてほとんどないもんなぁ」
雛「そうだね…いっつも無駄に元気になって兄貴帰ってきたもんね」
 裕紀と義大と雛子がそう答える
守「へぇ…でもすごいなぁ落とされたこと無いなんて」
裕「へへっ、そうかい?」
 四人がそんなやり取りをしているかたわらで
咲「あの医者…一言もそんな事言わなかった…あとで」
努「お、おい咲耶…解かってると思うがいくらなんでも俺以外に本気だしちゃ…」
咲「だって!あの時どんだけ私が心配したと思ってるの!?」
 涙目でそう叫んで部屋を出ようとする咲耶
努「おい!咲耶!誰か咲耶を止めてくれ!でないと、マジで医者が死ぬぞ!」
 努が必死になって叫ぶと…
鞠「まったく…病室では静かにね…咲耶さん」
咲「そんなこ…ウッ!あ…ぁ…」
 鞠絵が咲耶の背後から手刀で首を叩くとその場にばたりと咲耶が倒れこむ
辰「ま、鞠絵…いつの間にそんな事を…」
努「(こいつ…絶対尻にしかれるな…)」
ちか「…ん?ねぇ、テレビでアリーナの中継やってるよ…」
 その会話に入らずテレビを見ていた千影がそう言うと
裕「へぇ、ほんとか?」
雛「ねえねえ!今日はどこでやってっるの?」
義「おっ、あと少しで始まるじゃないか」
辰「今回の対戦は…ん?ちょっとまてよ…これって」
 辰也がベッドの横にある新聞を広げて今回の対戦を確認していると…
努「どうした?って、おい!守ちゃん!」
守「はいっ?な、なんですか?」
 ボーッとしていた守はいきなり努に呼ばれて驚く
努「この試合って守ちゃんが出場する予定のやつだよ!」
守「……あぁーー!わ、忘れてたーー!」
 そんな事をやっていると…
???「ちょっと!病院の廊下は走らないで下さい!」
???「す、すいません!今急いでいますから」
 こんな声が聞こえると、足音がどんどん努達の部屋に近づいてくる…そして
静「ここかっ!……ま〜も〜る〜」
 ドアが開くと同時に守の兄、静馬が入ってくる
守「に、兄さん…えっと…これは…」
静「言い訳は後だ!…それじゃあ失礼します!」
守「そ、それじゃあみなさん…また、今度…」
義「い、いってらっしゃい…守ちゃん」
 こうして守を義大達は見送っていった
努「…だ、誰だ?今のって…?」
 急な事だったのであっけに取られる努達
裕「この前、おれ達が対戦した相手…簡単に言えば守の兄貴だ」
辰「へぇ…じゃあ義大の未来の兄…はう!」
 問題発言を言いそうになった辰也に義大がスプーンを投げつける
義「それ以上言って見ろ…次はフォークだ…」
努「おいおい、怪我してるんだから無茶するなよ」
 笑ってやり取りを見守る…だが、普通だったら笑える状況ではない
裕「さて、あとどれくらいで始まるかな?」
 そのあと数十分後に試合会場に草壁兄妹がついた…

 試合会場…岩場フィールド
実況「大変長らくお待たせしました!今回はちょっとした理由により試合時間を
   ずらしてお送りします!」
 試合開始前のフィールドで…静馬が守に説教していた
静「まったく…時間になってもこないから心配してみれば…」
守「うぅ〜ごめん静兄さん…」
 しょぼくれる守…そこに
???「まったく…待たされる身にもなって欲しいものだな」
???「ほんとにですね〜、聖チャマ」
聖「チャマはやめろ!チャマは!…まったくいつになったらその癖はとれるんだ…四葉」
四「あぅ…ごめん聖兄ぃ…」
 いきなり通信がはいってくる…しかも妙にハイな会話だった
守「誰?あなたたちは?」
 当然と言えば当然の質問を投げかける
静「まさか、兄妹喧嘩を見せるために回線を開いたわけではあるまいな聖?」
守「ふぇ?静兄さんの知り合い?」
 驚きながら守は聞き返す
静「この間アリーナでシングルバトルで挑戦して完敗して帰ってったやつだよ」
守「……あぁ!この前妙にげんなりして帰ってきたあれ?」
静「そう…聖のやつ、やられるまで回線開きっぱなしで…うるさいのなんの…」
聖「う、うっさい!…っと終わった事はもういい…しかし今日は負ける気はしないな」
 自信満万にそう言い放つ
静「どこからそんな自信が出てくるんだよ…」
聖「そんな事言っててあとで泣き言言うなよ!…なあ、四葉?」
守「…でね、静兄さんってばそこで…」
四「本当デスか?こっちの聖チャマも…」
 兄の話題で盛り上がっている守と四葉そこに
聖「だからチャマをつけるな!」
 怒鳴りながら聖が会話を止める
静「あ〜もう…うるさいから切るぞ…守もそろそろ切り上げろよ」
守「は〜い、それじゃあね四葉ちゃん…手加減しないよ」
四「はいデス!こちらも手加減しませんよ!守ちゃん」
 守と四葉はお互いにエールをかわして通信を切る
聖「ちょっとまて!まだ話しは…」
 聖は強制的に静馬に通信を切られる

 所変わって病室で…
努「おっ、やっと始まったな…」
辰「今回の対戦相手って誰だ?」
ちか「今からレイヴン紹介が始まるよ」
実況「さてさて…今回の対戦は、先日あの最強コンビに挑んで惜しくも敗れ去った…
   グローランス、グローディアチームです!」
 岩場フィールドなので観客はいない…しかし、実況はいつもどおり声を張り上げている
辰「こっちが、守ちゃんの方だな」
義「あぁ、そうだよ…で、対戦相手は…」
実況「さて、お次は…三日前、このグローランス選手に挑戦し敗れ去っていった
   レイヴンが妹を引き連れてやってきた…
   ライトニング・ウォール、デス・クローバーチームです!」
ちか「み、三日前って…」
裕「ほんと、つい最近だなぁ」
努「にしても最近流行ってるのかな?兄妹でレイヴンになるのって…」
 努が思ってる事を正直に述べる
鞠「まぁ、いいじゃないですか。それよりそろそろ始まりますよ」
 その疑問に鞠絵がサラッっとそれに答える
義「あっ、そうですか…守ちゃん…ガンバレよ…」
 ボソッとつぶやくように義大は言った…しかし、それを…聞いてしまった人物が一人…
裕「はは〜ん、やっぱりお前ってば…うわっ!わかった!わかったから真剣抜くなって!」
義「わかったならよい…だが次は無いぞ…」
努「おいおい、いい加減にしとけよ、そろそろ始まるみたいだから」
実況「はいっ!大変長らくお待たせしました!それではACバトル…レディーゴー!」
 実況がそう叫ぶと試合開始のサイレンが鳴り響いた

守「えっと…静兄さん、あの聖って言う人…苦手?」
 通信がきれたあと守は思っていたことを口に出す
静「ん、解かるか?」
守「うん、いつもと態度が全然違うもん…誰でもわかるよ」
静「騒がしいやつは…苦手なんだ…」
 もう、うんざりといった感じで答える
守「じゃあ、源さんは大丈夫だね…」
 守はボソッと小声でそうつぶやく…
静「なんか言ったか?守?」
守「な、何でも無いよ!そう!何でも無い!」
静「そうか…ならいいんだが…そろそろ時間だな」
守「はい…じゃあ、いこう!静兄さん!」
 試合開始を知らせるサイレンが鳴り響いた

聖「あっ、畜生!あいつ通信切りおった!」
 聖がそう叫ぶと
四「あの〜聖チャマ…」
 そこに四葉が話しかける
聖「だ〜もう!チャマはやめろ!…で、なんだ?」
四「はぅ、ごめんデス…聖チャ…っと聖兄ぃ、開始直前ですから…」
聖「おっ、そうか…よし!今度こそやつを負かしてやる!」
 妙に気合を入れる聖
四「う〜ん…わかんないデス」
聖「なにがだ?」
四「たかが一回負けたくらいで聖チャ…聖兄ぃがここまで執着する理由デス」
 その気合の入り方に四葉は聖に疑問をなげかける
聖「理由か…それは、あのヤローにすべての攻撃を避けた上で撃破されたんだよ…」
四「あぁ〜!なるほど…って、本当デスか!?この動く砲台と言われた聖兄ぃが!?」
 ちょっと興奮しながら四葉が言い放つ
聖「変な異名をつけるな…まあそんな所だ」
四「あっと、時間来ちゃいましたね」
聖「そうか…静馬め今回は前の用には…」
四「いかないデスよ!」
 試合開始のサイレンが鳴り響く

 岩場の間をかいくぐって移動する二機のACがいる
守「よっし!それじゃあ、いくよ!静兄さん」
静「まて守、やつの機体は…守!避けろ!」
 静馬がそう言うと…
守「うわっ!?な、なに!?」
 遠距離から大口径グレネードが守の機体をかすめ、大爆発を起こす
静「ぐぅぅ!さすがだ…やつの機体は高火力兵器満載の機体だ…って、おい!大丈夫か?」
守「あいてて…大丈夫だよ、ちょっと爆発に巻きこまれただけだから…」
 守の機体はかすったとはいえ装甲が焦げていてその威力を物語っている
静「厄介だな…このフィールドではやつらの思うつぼだ…くっ!」
 よく考えてみると隠れる場所が多いこのフィールドでは遠距離から攻撃するのに
 最適な場所と言える
守「そんなこと言ってないで!とりあえず四葉ちゃんと聖さんを探さなきゃ」
静「すまない…とりあえず相手の攻撃に注意しながら索敵をする」
守「了解!」

聖「四葉、相手の状況はどうなっている?」
 さっき放った先制攻撃がどう決まったかを知るために四葉に通信をいれる
四「ハイ、守ちゃんの機体のほうにかすっただけ見たいデス」
 静馬達のレーダに入らないぎりぎりの位置で偵察している四葉が通信に答える
聖「さすがと言えばさすがだな…よし、じゃあ四葉!作戦どおり撹乱を頼むぞ!」
四「了解デス!聖チャマ!」
聖「だから、チャマはやめろってば!」
 その通信の答えを聞く前にもう四葉は攻撃に移っていた

守「ん?東からAC反応!静兄さんもう目で確認できる位置まで…きゃあ!」
 四葉の機体を確認するがすでに遅くハンドガンをばらまいてきた
静「なに!一機で突入してきただと!?」
 突然の四葉の強襲に驚きを隠せない二人
守「くっ!し、しまった!熱暴走!?」
 守の機体から煙りが吹き出し始める
四「動きが止まりましたね!いただきデス!」
 地上を滑りながら肩のキャノンを構え、そして守に狙いを定める…しかし
静「守!大丈夫か!?…ミサイル発射!」
 寸前の所で静馬がミサイルを発射し四葉に回避行動をとらせ狙いをはずさせる
四「ちぇ、もう来ちゃいましたか…惜しかったデス。でも、もう遅いですよ!」
静「なんだと!?…お前の方こそ一人できて袋のネズミじゃないのか?」
四「ふふっ、どうして四葉が一人突っ込んできたと思いますか?聖チャマ!今です!」
聖「よし!よくやった四葉!…スコープ・セット…くらえ!静馬!」
 四葉がそう通信を入れると岩場の上から聖がグレネードで狙いを定めていた
静「なにっ!しまった!」
聖「いっけぇー!」
 聖の機体からグレネードランチャーが容赦無く発射される
守「静兄さん!」
 大型のグレネードが着弾と同時に大爆発を巻き起こす…
聖「よっし!直撃だ!」
四「やったデス!作戦成功デス!」
 まだ、煙が上がっていて確認はできないが間違い無く…直撃だった
聖「あとはとどめをさすだけ…なにっ!?ミサイルだと!?」
 直撃を受けたはずの静馬の機体がミサイルと共に飛び出してきた
静「油断したな!聖!」
聖「くそ!あの距離なら直撃のはずなのに…なぜ無傷なんだ!?ぐぅぅ!」
 デコイを出しながらミサイルはかわしているもののショットガンの直撃を受けてし
まう
四「聖チャマ!今行きます!まってて「おっと、ボクを忘れてもらっちゃ困るよ?」
 煙りの中からもう一機、左腕が吹っ飛んだ守の機体が飛び出してきた
守「いくよ!パイル…セット!」
 残された右腕についた射突ブレードを振り上げ四葉の機体に突っ込んでいく
四「ま、守ちゃん!けど、正面だったら!…標準セット!」
 四葉もグレネードキャノンを構える
守「とどめだ!…ショット!」
四「落ちるデス!ファイア!」
 守の射突ブレードがジェネレーターに決まり四葉の機体は機能を停止させる
守「ハァ…ハァ…静…兄さん…あとは…任せたよ…」
 グレネードの直撃を至近距離で受け、守の機体も機能を停止させる…
静「あぁ…後は任せろ…守…」
聖「くっ!だが、早々簡単に負けるわけにはいかないんだ!四葉のためにも…」
 聖と静馬が決着をつけるためお互いに向かい合い…
静「いくぞ!聖!」
聖「勝負だ!静馬ぁ!」 
 その後の試合はかなりもつれこんだ。聖はショットガンに被弾しつつも果敢に攻めたて
 静馬を大破寸前まで追い込んだ…しかし、最後の最後にミサイルとショットガンの
 ラッシュをくらって健闘むなしく大破してしまった…

実況「試合終了!勝者、グローディア、グローランスチーム!」
 実況が高々と試合終了をつげる声を上げる
聖「く…くそう…すまん…四葉…」
 機能停止し、煙りの噴出す機体の中で聖が悔しそうにそうつぶやく
静「お前…ふふっ、シングルの時よりやるようになったな…」
聖「当たり前だ!…負けてから三日間、ずっと今日の作戦を練っていたんだからな…」
静「そうか…今度、もう一度対戦してくれ、もちろん兄妹でな」
聖「今度こそ、絶対にお前等を負かしてやる!絶対だ四葉と…って、四葉!」
 何かを思い出したかのように四葉の名前を叫ぶ
聖「おい!四葉!大丈夫か!」
四「……ん、う〜ん…あっ、聖チャマおはようデス」
 聖の呼びかけに四葉が答える
聖「よかった…さっ、帰るぞ…」
四「はいデス♪聖チャマ」
聖「だから…チャマはやめろって!」
四「はぅ…ゴメン…デス」

静「さて、こっちも帰るぞ、守」
守「……」
 静馬が通信を入れるが守は反応しない…
静「守?…守!って、おい!守!くっ、救護班呼べ!…そう、今すぐだ!」
 そのあと何度も何度も通信を入れてみるのだが守は反応をしめさなかった
静「すぐに救護班が来る…まってろ守…」
 数分後、守は救護班につれられて病院へと運ばれた

 病院で…
 307号室で義大と看護婦が格闘していた…
義「うおぉぉぉ!は〜な〜せ〜!」
看護婦「ダメです!今、動いては治るものも治りませんよ!安静にしてください」
義「はなせ!守ちゃんが!…守ちゃんが!」
 数分前の放送で…
実況「え〜、今入りました情報によりますと、レイヴンネーム、グローランスさんが
   意識不明で病院に運ばれた模様です」
 こんな情報が入ったおかげでいきなり義大が「見舞いに行く!」と言って
 聞かなくなってしまった。一番初めに止めに入った裕紀はもうすでに撃沈されている…
義「だぁぁぁ!はなせ!は〜な〜せ〜!」
努「うわぁ…こ、これは、どうしたものか…」
鞠「…いい加減、止めましょうか?」
 初めは看護婦一人でどうにかなると思ったがそれがダメだった
努「あぁ、頼むよ…鞠絵さん」
鞠「じゃあ、遠慮無く…」
 そう言って鞠絵は一発で義大をしとめた…
鞠「ふぅ、みなさんには迷惑をかけないこと…」
 ぐったりとした義大を見ながら鞠絵はそうつぶやく

 その日の内に守は目を覚まして307号室に入っていった…
 野生の感とも言えるタイミングで気絶していた義大が目を覚ましたのは言うまでも無い

                              第7話に続く…
作者:キョウスケさん